1日の疲れを民宿で癒す、島外から瀬渡しで島へ入り瀬泊まりや堤防へ泊る事も出来る訳だが我々は必ず民宿へ立ち寄るようにしている。そこに島の人達の生活がなければこうした離島への瀬渡し自体も成立しなくなってしまう。ましてやフェリーで入島しいくらワンナイトの短期滞在だとしても島民とのコミュニケーションがなければ何か事故が起きた時にも結局迷惑を掛けてしまうのはその島の人達だという事を理解したほうが良い。民宿へ定期的に泊っていれば顔も覚えて貰えるし何より「何処から来たか分からない人達」という認識より「○○の民宿にいつも泊っている人達」という目で島民の人達は見てくれる、最高僻地5級地でこれは大きな意味を持つ事に早く気付いた方が良い。話はやや逸れたがゆっくりと島時間を過ごし翌朝まだ暗いうちから沖磯を目指す。
この日の磯は前日もGTからのコンタクトが有ったようで期待してスタート、松岡氏も昨日同様朝一から活きたムロアジをナイロンラインで巧みに流していく。
広い磯なので一人転々と足場を変えながら探っていくがプラグへの反応は無し、ライブベイトの方も一度怪しい動きをしたようだがこちらも暫くノーヒット。結局我々が乗る磯では納竿まで変化無く終了、しかし他の磯では朝一から熱いやり取りが繰り広げられていた。
RB95SDにて32キロ
渡礁後間もない1投目に最年長マーティ氏が自己記録更新の32キロをキャッチしていた。氏は私と同様に昨年この吐噶喇の磯でGTに敗北を味わった同志…去年苦汁を舐めた二人が揃ってキャッチ出来た事は、この1年で色んな所へ遠征を共にしてきた集大成の一つだと思っている。そして今度は納竿間際のラスト1投でまたまたドラマが!!
RB95SD+魚じゃらし工房【Musya210】にて初GT23キロ
前日に3人で渡礁し自分以外の同礁者にはGTがヒットしたにも関わらず一人反応が無かったY氏…近海のショアからヒラマサを狙い始め男女群島、奄美のショアGTとステップアップしてきた彼だがGTは未だノーキャッチで初の吐噶喇チャレンジ。厳しい言葉を掛けながら二日目の朝に磯に下りる直前瀬渡し船のホースヘッドで少しだけ彼にアドバイス…最後までそれをやり通せられれば少しは勝機が有る事を彼に伝え磯に下りて行った。そして迎えにいくと船に飛び乗ると同時に「常岡さん、やりました!」と満面の笑みで右手を差し伸べてきた彼の手を強く握り返した。自分の言葉を信じ迎えの船が遠くに見えてくるまで朝から数時間、彼はアドバイス通りに釣りを組み立てて最後は自分の手でファーストGTをキャッチしてくれた。今回のグループでは最年少の彼が港に着くまでずっと少年のような笑顔で同行者と嬉しそうに話す姿を見ていると、まだまだ我々も彼らの少しだけ前をもう少しだけ歩いていかないといけないのかと思わされる。吐噶喇の島の人々、海、魚、そして仲間達、全てに感謝しかなく今年も夏吐噶喇も無事に終了することが出来た。